いわしは群れをつくって回遊するためまとめて漁獲でき、全魚中最大の水揚げがある魚です。いわしといえば、普通マイワシ、ウルメイワシ、カタクチイワシの3種を指します。マイワシは日本各地、サハリンの沿岸、東シナ海に分布し、全長は大きい物で25cmほど。背が青緑色で、腹部が銀白色、体に7つの青黒い斑点があることから「ななつぼし」ともいわれます。イワシ類の漁獲の大半はこのマイワシをいいます。
すぐ鮮度が落ちるので、新鮮なうちにすぐ下処理をして冷蔵保存します。頭や内臓を取って下ごしらえしたものは、キッチンペーパーに挟んで冷凍します。すり身は団子などの使いやすい形に整えてから、容器に入れて冷凍して下さい。
「いわし百尾、頭の薬」といわれるように多くの栄養があります。豊富なDHA、IPAがコレステロール値を下げ、血液をさらさらにします。カルシウムも多く、カルシウムの吸収率を上げるビタミンDも含まれているので骨や歯を強化し、骨粗鬆症を予防するのに効果的です。血圧を安定させ、心臓をまもるタウリンも含まれ、血栓症や心筋梗塞、高血圧などの生活習慣病予防に働く栄養素の宝庫です。
いわしは身がやわらかく小骨が多いので内臓を取り出したらよく水洗いして、頭から尾に向けて簡単に手開きします。鮮度がよければ刺身、たたき、酢のもの、ぬたなどにしておいしくいただけます。
鮮度がやや落ちていたら、酢を使ってマリネ風したり、しょうがや梅干しといっしょに煮てつくだ煮風にするといいでしょう。中身ごとすりつぶして、つみれ汁やハンバーグにすると、カルシウムをたっぷり取れます。